芭瑠くんがカードキーで扉を開けてくれて中に入る。
とっても広いし、何より窓からの景色がすごいというか。かなりの高さなので街全体が見えてしまう。
景色がきれいで、思わず大きな窓のほうへ吸い込まれるように近づいて外を眺める。
「こんなにきれいな景色初めてみたかも」
「そんなに?」
しばらく窓の外の景色に夢中になっていると、急に芭瑠くんがわたしの手を引いた。
何かなって思って振り返ってみたら、近くにあったテーブルに置かれた少し小さめのホールケーキ。
い、いつの間に用意してくれたの?
「レストランで食べるより、ここで食べたほうが落ち着くでしょ?」
たぶん、わたしがこういうところで食事をするのが慣れていないから、ケーキだけでも落ち着いて食べられるようにって配慮してくれたんだ。
……その優しさがとっても嬉しい。

