「や、優しくなんかないよ……っ。むしろ、ちょっとだけ羨ましいって思ってる、もん」

「どーして?」


「だって、わたしがそばにいなかった間の芭瑠くんのことをよく知ってるのは小桃さん…だから」


あぁ、やだ。
心狭いなとか思われないかな。

そんな昔のことにこだわっても仕方ないし、今さらなのにこんなこと言って。


でも、常に芭瑠くんのことをいちばん知ってるのはわたしでいたいって思うから。


「それってヤキモチ?」

「……です」


「何それ可愛い」

「うっ…」


芭瑠くんの顔を見たら嬉しいのか、口元がすごく緩んでる。


「過去のことは変えられないけど。でもこれから先ずっと僕のそばにいてくれるのは芙結だって信じてるから、過去じゃなくて未来を見てればいいんじゃないかって思うよ」


本当にその言葉通りだと思う。
過去は変えられないけど、未来はこれから2人で作っていくものだと信じているから━━━━━━。