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結局、あれから柏葉さんが部屋に入ってきて、事情を話してわたしはいったん家に帰ることに。

わたしでは説得できなかったので、柏葉さんが芭瑠くんを無理やり説得。


……いまだに納得していない芭瑠くんは渋そうな顔でわたしの隣に立っている。


そしてお屋敷の前に車が来た。

柏葉さんが家まで送ってくれるみたい。


「では、芙結さまのみお車へどうぞ」

車の扉を開けてもらい、中に乗るとなぜか芭瑠くんまで乗ってこようとする。


「芭瑠さま?わたくしは芙結さまのみと言いましたが」

「僕には聞こえなかったけど」


「困ります。芭瑠さまがご一緒されてしまうと、そのまま芙結さまの家に乗り込みかねないので」

た、たしかに。


「あ、それいいかもね。今日の夜は芙結の家に泊めてもらおうか」

「おやめください。
芙結さまのご家族の方にご迷惑です」