このまま目を閉じたら意識が飛んじゃいそう。


帰ってきた芭瑠くんがいきなりわたしが眠ってるところに遭遇したら、ぜったいびっくりするから起きていないといけないのに……。


ふわふわと意識が飛びそう。
フッと目を閉じたら、そのまま深い眠りに誘われて落ちた━━━━━。



***



何か頬を誰かに触られているような気がする。

それに名前を呼ばれているような……。


少しずつ眠っている意識が戻ってきて、
重たいまぶたをゆっくり開けると……。


「え……あっ、」

「……なんで芙結がここに?」


そこにいたのはもちろん芭瑠くんで。

わたしを見てかなり驚いている様子。


これは夢じゃない……?
目の前にいる芭瑠くんが懐かしくて、無性に抱きしめてほしくなる。


「夢……じゃない?」

「いや、それ僕のセリフなんだけど……」