「あ、そういえば最近詩ちゃんは御堂くんとどんな感じなの?」

本を棚にしまいながら、ふと気になったので聞いてみる。


前々からいい感じと思っていたから、もしかしたらわたしが知らない間に関係が進んでたりするのかなって。


「御堂くんかぁ。うーん、別に前とそんなに変わってないかな。たまに2人で出かけたりするけど」


「えっ、2人で出かけてるんだ」


「うん、そう〜。御堂くんがわたしの荷物持ち」

「荷物持ち……」


なんだかその姿が想像できてしまって、思わず笑ってしまった。


「あっ、芙結ちゃん笑った!」

「え?」


「最近あんまり笑わなかったから!やっぱり芙結ちゃんは笑顔のほうが可愛いよ!」

「そう、かな」


そういえば最近全然笑ってない気がする。
何か面白いことがないとかそういうわけじゃなくて。


ただ……心にポッカリ穴が開いて、ただなんとなく過ぎていく毎日があまり楽しいと感じなくなってしまったから。