芭瑠くんのそばを離れて1ヶ月。

短いように見えて、わたしにとってはとても長く感じた1ヶ月だった。


芭瑠くんは前と変わらず学校を休んだまま。
きっと優秀だから、少し休んでもテストで取り返すから卒業できない心配はないんだと思う。


あれから、柏葉さんがわたしの家に来ることもないし連絡もない。


御堂くんも何も言ってくることはなく、いつもどおり接してくれている。


これで、本格的に芭瑠くんはわたしを忘れて違う道を進むのかな…と思い始めた。


もしかしたら……今、小桃さんがそばにいたりするのかな……。

そうなれば、わたしはますます不要になっていくんだ。


「……ゆ、ちゃん」

「……」


「ふーゆちゃん!」

「……あっ、」

ボーッとしていたら、詩ちゃんに声をかけられてハッとする。


「それ、取ってもらってもいいかな?」

「あっ、うん」