小桃さんに言われた言葉たちが引っかかってばかり。


芭瑠くんが倒れたしまったのはわたしのせい……。

わたしがそばにいたら、
芭瑠くんはこれから先、もっと幸せになれないんじゃないかって……。


わたしが邪魔をしてる……そう感じてしまう。


グッと下唇を噛み締めて目を閉じる。

正直、いまわたしには心に余裕がない。


自ら手放すなんて考えたこともなかった。
だけど、今は少し距離を置きたいと……勝手な思いが空回り。


「はるくん……」


ゆっくり口を開こうとしたら、それを遮るように芭瑠くんが身体を乗り出して顔を近づけてきた。

「っ……」


とっさによけた……。

最低なことしてるって、わかってる。

でも、今は何が正解かわからない……っ。


「……悪いことなら聞かないよ」


しっかり瞳を見れば、ひどく悲しそうな笑顔でこちらを見ていた。

胸が痛い……。