王子系幼なじみと、溺愛婚約しました。




***


あれからどれくらい時間が経ったんだろう。
小桃さんは言いたいこと全てを吐き出して、泣きながら病室の前から去っていった。


残されたわたしはただ呆然とその場に立ち尽くして、どうすることもできずにいた。


ただ、小桃さんに言われたことを真に受けて、ますます芭瑠くんのそばにいられる自信がなくなった。


わたしがそばにいても、芭瑠くんにとっては何もいいことない。むしろ苦しいことばかりだと言われたような気がして……。


一度深く呼吸をして、目を閉じた。

そして、目の前の扉をゆっくりと開けた。


扉は横にスライドして、音を全く立てない。


でも誰か入ってきたことは気配でわかるのか、
足を踏み入れてベッドのほうを見れば、芭瑠くんの目線がこちらに向いていた。


久しぶりに顔を見た……。

会えて嬉しい、顔を見れて嬉しい気持ちが込み上げてくる。