王子系幼なじみと、溺愛婚約しました。




「なに、盗み聞きでもしてたわけ?」

「ち、違います……、たまたまです……」


はぁ、とため息をついて腕を組みながら壁にもたれかかる小桃さん。


「今さら何しにきたの?芭瑠が入院してる間いっさいここに来なかったくせに」


「それは……っ」

その先の言葉が見つからなかった。
わたしが勝手に芭瑠くんと距離を感じて、逃げていただけだから……。


「なんであなたみたいな子が芭瑠に想われてばかりなの?小桃のほうが芭瑠のことわかってて、あなたよりぜったい芭瑠のこと好きな自信あるのに。

小さい頃からぜったいわたしのこと好きになってくれない。……いつだって、芭瑠はあなたを選んでばかり」


最初は勢いよく話し始めたのに、最後のほうは消えてしまいそうな声。

小桃さんの瞳にはうっすら涙がたまっていた。


こんなに感情的になるほど、小桃さんは芭瑠くんのことが好きなんだ。