王子系幼なじみと、溺愛婚約しました。




***


結局、断れずに来てしまった。

というか、小桃さんの名前を出されたから、それが気になって来たのもある。


もちろん、芭瑠くんの体調の心配がいちばんだけれど。


ほぼ1週間、全くここに来なかったことを芭瑠くんは怒るかな……。

それとも、わたしが会いに来なくても平気だったのかなとか、ひねくれたことばかり考えてしまう。


ここでためらっていても仕方ないので、扉に手をかけ開けようとしたときだった。


「芭瑠は、なんで小桃がそばにいてもそんな顔ばっかりなの」

中からそんな声が聞こえたせいで、扉をスライドさせる手を途中で止めた。


……今日も小桃さんは芭瑠くんのお見舞いに来ていたんだ。

だとしたら、とんでもないタイミングでここに来てしまったと後悔する。


「1週間、芭瑠が入院してるっていうのに、あの子お見舞いにも来ないじゃん。
そんな子を待ってるって言いたいの?」