1人の空間はこんなにさびしくて、
心細いんだって、あらためて実感した。


いちおう柏葉さんが気を使ってくれているのか、芭瑠くんが今どういう状態なのかは教えてくれる。


ただ、わたしたちの間に何かあったことを察しているのか、無理に会いに行ってほしいとか、そういうことは一切口にしてこない。


きっと、わたしから会いに行くと言うのを待っているような気もする。



いつもどおり学校へ行って、授業を受けて、お屋敷に帰ってくる。

何も変わらない日常。


ただ、そこに芭瑠くんはいない……。


10年前みたいに、突然姿を消したわけじゃないのだから。

ただ自分から会いに行く意思があればいつだって会える。


だけど、なんだか芭瑠くんとの間に変に距離ができてしまったような気がして。


そこからまた数日……わたしは芭瑠くんに会いに行くことを選ばなかった。