そのまま車が走り出して、過ぎていく景色をただボーッと眺めるだけ。
本当はもっと詳しく芭瑠くんのことを聞きたいけど、少しだけ怖い。
……わたしが知らない芭瑠くんがいるのをこれ以上知りたくない……というか。
そういうのを聞くと、どうしても自分と住む世界が違うと示されるような気がして、勝手に落ち込むから。
窓の外の景色を眺めていると、異変に気づいた。
いつもの道と違うことに。
いったいどこに向かっているんだろうって思ったけれど、なんとなくわかってしまう。
たぶん、わたしが心配して不安そうな顔ばかりするから……芭瑠くんがいる病院に連れて行ってくれるんだと。
学校を出てから、車を走らせること30分ほど。
やっぱり予想通りの場所に車が停まった。
ここの近所ではかなり有名な大病院の前。

