芭瑠くんの手をグイッと引いて、これ以上深いところにいけないようにする。

でも。


「じゃあ、僕が抱っこしてあげる」

「わっ、きゃっ!!」


逆に腕を強く引かれて足がつかなくなったので、とっさに芭瑠くんの首筋に腕を回す。


「へぇ、芙結から抱きついてくるなんてね」

「これは、足がつかないからだもん!」


すると腰のあたりに芭瑠くんの腕が回ってきて、落ちないように抱っこしてくれる。


「あの、重くない?」

「全然。むしろ軽すぎて心配」

水の中だから多少軽くなってるとはいえ、体重ブクブクだから重かったらどうしようって。


「軽いなんて、それは嘘だよ」

「なんで?だってお腹とか全然じゃん」


「ひぇっ、ちょっ、なんで触るの!」

「だって芙結が嘘とか言うから」


お腹を直接手で撫でられて、びっくりして手を動かしたせいでバシャッと水が跳ねる。