王子系幼なじみと、溺愛婚約しました。




お、お願いだからわたしにこの状況を説明してほしいんですけども!!


「お屋敷ですよ。お母さまから聞いてないですか?」

「お、お屋敷??何も聞いてないです!」


「そうですか……。まあ、実里さまのご許可はいただいているので、とりあえず車に乗っていただけますか?」


今この人が言った実里さまとは、わたしのお母さんのこと。

なんでお母さんの名前まで知ってるの。


「だ、だからこの状況を説明して……きゃっ」

「すみません、あまり待たせてしまうとわたしが怒られてしまうので、少し我慢してください」


なんて言われて、身体をひょいっと抱っこされてしまった。


「暴れると落ちますよ?というか、芙結さまにお怪我をさせてしまったら、わたしが怒られますので。お車まで辛抱してください」


どうやら抵抗しても無駄なようで、ラフな部屋着にサンダルのまま外へ連れ出されてしまった。