そんな人質にすらならない私に、大事な護衛をおつけになられるなんて。 (王様は……………少々変わっていらっしゃる…) 「テオビューク。不在の間、妃を頼む」 「御意」 テオビュークと呼ばれた騎士は忠誠を誓う様に、私と王様の前で膝を曲げる。 そう言えば、まだこの護衛騎士へ自己紹介をしていない。 「………………ガーネルです。宜しくお願いします」 私の口元は、不思議な事に少し緩んだ。