冷徹竜王の花嫁Ⅰ【完】




「………ガーネル」

「何でしょうか。王様」

「余は明日、視察にて城を一日空ける。帰ってくるのは次の日の昼になるだろう」

「そう……ですか」


王様が一日王城にいないからと言って、反乱が起きる訳ではないと思うけれど。


王様の表情はどこか宜しくない。


どちらかと言うと、少し不安げに見える。


「そなたに護衛騎士をつける」

「………………ご、護衛騎士…ですか!?」


その言葉に思わず驚く。


「その方が安心だからな」


王様が少しお城を空けるだけなのに、大事な騎士を護衛に授けて下さるなんて。


「不満か?」

「い、いえ……………身に余るご厚意に思わず驚きまして………」