___ガタッ。
「お妃様……っ!お風邪を引いてしまわれます!」
部屋の窓を開けると少しだけ冷えた空気が中へ入り込む。
それと同時に、背中から焦る侍女の声が聞こえてきた。
「少しだけ……外の空気に触れたいの。ダメ…かな?」
「…………………承知致しました。ですが、少しだけとどうかお約束下さいませ」
ただ何となく外の空気を吸いたいと思っただけなのに。
クランベルは何かを悟った様な目で、周りの侍女を連れて部屋から退出した。
(別に部屋から出て行かなくても良かったのに…)
窓の縁に手を添える。
緩やかな風が、長い髪を揺らし。
見上げた先には夜空に浮かぶ大きな満月が、美しく輝いていた。



