日の光がとても心地良い昼過ぎ。


行政の部署に現れたのは執事長であるルークスだった。


「宰相様。お取り込み中に失礼致します」

「どうしたんだ?会議にしてはまだ随分と早い様だが」


定時に行われる会議にしては早いと、時計に目を向ける。


「いえ…王様が執務室にてお呼びでございます」

「王様が?妙な時刻に呼び出すね………。何か問題でもあったのかい?」


その言葉に先程まで無表情だったルークスは、ピクリと体を反応させる。


(あ、これは何かあったな)


感情を表に出さない様に気をつけていたみたいだが、少しの反応を俺は見逃さなかった。


「……王様からお聞きになった方が宜しいかと存じます」

「そうか。なら今から向かってみるよ」


いつもなら簡潔にまとめて答えてくれるルークスが、王様から聞いてくれと口にするなんて。


(これは、かなり不味い状況か?)


「すまないが急用が出来た。この件に関しては後日話し合おう」

「えぇ、そう致しましょう」


周りに声をかけると、急ぎ足で執務室へ向かう。