「これが、この国で言い伝えられている歴史でございます」


思わず言葉を失う。


あまりにもスレンスト帝国で伝わる歴史と違いすぎる。


(私のいた国が、卑劣な戦いを……?)


国が発達したのは、戦争によって国が拡大したからと書いてあったけれど。


もしかするとそれも、卑劣な戦いで手に入れた土地なのかもしれない。


(同盟を交したと書いてあったのも、戦争に負けたから交わされたとも十分に考えれる……)


私が今まで思い込んでいたものは、一体どこまでが正しいのだろう。


全部嘘とは言わないだろうか。


(それにしても、悪魔の血……………か)


帝国にいた時は、穢れた血と言われていたけれど、ここでは悪魔の血。


(嫌だなぁ…。私の血)


どこへ行こうが私の血は良くないらしい。


しかし、これで合致した。


ルークスさんが名前を聞いた途端、私に不快感を示したのも。


王様が部屋で待機する様にと伝えたのも。


お父様が王様に反論出来なかったのも。


その戦争と言う歴史があったからなのだ…と。