___コンコンコンッ。


部屋のドアをノックする音で、目を覚ます。


どうやら私は、あのままソファーの上で寝てしまった様で、上に背伸びをして軽く体をほぐす。


直ぐにドアの向こうから「入っても宜しいでしょうか?」と入出の許しを乞う女性の声が聞こえてきた。


中へ入れて良いものか、返事をするのに一瞬戸惑ったけれど、全く事情の知らない人がわざわざここへ来るとも思えない。


王様は皆にはまだ知らせていないと言っていたけど、


もしかしたら王様が寄越したのかもしれない。


そう考えた私はドアに向かって返事をした。


「失礼致します」


するとそのドアは開かれ、人の良さそうな三十代くらいの女性が姿を現した。


ブラウンの髪を後ろでお団子結びにして、服装は白色のエプロンに黒色のロングスカート。


帝国の使用人達とあまり変わりない服装をした女性は、恐らくここの使用人で間違いない。


そう言えば、王様が使用人を寄越すと話していた。