金色で縁取られた写真立ての中に映る人物を、切なげに見つめる。
生前、数多くの功績を誰よりも残したはずなのに。
俺だけでなく多くの者を救って下さった希望のお方なのに。
憎きあの国で転生するなんて。
しかも、あの末裔である一族…とは。
これも神のイタズラか。
それとも何かの試練なのか。
スレンスト帝国の者でなければ、特に何の問題もなかったのだろう。
この国の者らは帝国の奴らを酷く憎んでいる。
妃にすると言ったら、かなりの批判が国内で上がる事だろう。
…………が、その時は力でねじ伏せるまでだ。
したところで、暴君だの冷徹だの言われている俺の評判が変わる事はない。
「…王様、どうか再度お考え下さい」
「考えが変わる事はない」
「何故王様は、あの日からあの者に執着なさるのですか?他の女性をお勧めしても娶られませんし、あの者に監視までつかせて………王様と言えど理解しかねます!」