「誰様に向かってその様な口を聞いている…!!!生意気な…っ」


今にも物が飛んで来そうな勢いだが、不思議と怖く感じない。



「証拠があると先程仰られてましたが、ではその証拠とは一体何なのですか!?」

「う、煩い!!お前如きがその様な口を…………………兵士を呼べ!!!皇女を捕らえよ!!!」


怒りに任せて声を荒らげる。


………………が、誰も従わない。


いや、従えないのだ。


「どうした!??………………あ」


目の前に王様がいた事を思わず忘れていた様だ。


一気に皇帝陛下の顔が青ざめる。


「余も実に興味がある。その証拠…とやらがな」


その言葉に大臣等は顔を引きつらせた。


あれ程何回も口にしておいて、まさかそれが嘘とは言わないだろう。


「どうした?」
「…そ、それは…………っ」


大臣等は言葉を濁すように口を籠もらせる。


後ろを振り向くと、そこには不敵な笑みを浮かべられた王様がいた。