何も知らない大臣達は、皇帝陛下に続く様にして私を罵り始めた。
「この者は名高いアデリカル国王の妃に相応しくありません。代々引き継がれる高貴な血を汚した醜い平民から生まれた子供なのです」
「しかも、婚約者を自らの手で亡き者にしようと企んだ悪女でございます!」
(違う…………っ!!)
そう叫びたいのに口に出せない。
私は悪女何かじゃない。
殺そうと企んでもいない。
けれど、今この場でそう口にしたところで、何が変わるだろうか。
唇を強く噛みしめる。
他国の王様を目の前に、見苦しく声を荒げて。
釈明しようと色んな言葉を吐いたって。
それらは全て嘘にしか聞こえない。