「………っ!?」


退けなくて混乱する私。


ようやく窓から顔を離した大臣等は、その光景を目にして固まった。


「…な!何をされておられるのでしょうか」
「何だ?悪いか」


平然とした表情の王様。


まるで、何も問題が無かった様に口を開いた宰相様を見つめる。



「恐れ多くも申し上げます。その者は罪人でございます。近寄るのは宜しくない…かと」

「ほぅ…………罪人か。処罰を受ける皇族とはこの者であったか」


険しい表情をした宰相様とは違って、王様は呆れた様に笑った。


「一体、何をやらかしたのだ?」
「………………え?」
「お腹が空いて夜中に盗み食いか?それともこっそり城から抜け出したのがバレたのか?」


何を言っているんだ、こいつは。


正直そう心の中で思ったけれど、流石に命が惜しいので口にしないでおく。