「な、何だ……っ!?」


バランスを崩した大臣の一人が、地面に尻餅をつく。


かかとの高い靴を履いていた私も、上手くバランスを取る事が出来ずに、地面へ転びそうになる。


「……………………え?」


バランスを大きく崩した時、誰かが後ろでその体を受け止めた。


その腕は前へと回され、まるで後ろから抱きしめられている様な感覚に近い。


咄嗟に後ろを振り返ると、先程まで離れた位置に立っていた王様が頭上から私を見下ろしていた。


(……………………何この状況!?) 


王様が私を受け止めて下さっていると理解するのに、数秒掛かった。


「…も、申し訳ございません!!」


抱きしめられている様な格好が恥ずかしくて、思わず頬が火照る。


退こうとして体を動かした時、回された腕に力が入った。