「……そうか。処刑当日、本来であれば同席を命じるところだが、今回は静養に専念してもらいたい。早く良くなる事が民の為でも、国の為でもあるからな。気にせず休むと良い」
「………お気遣い感謝致します」
実は正直言って処刑される場に居たいとは思っていなかった。
出来る事ならその場を見たくない。それが本音だ。
そもそも人が命を落とす光景を、好む者などいないだろう。
それが責務とあれば参加せざるを得ないが、あまり見たくないものだ。
「……最後に一つ。貴族派には十分気をつけろ。一応テオビュークには命じてあるから心配する事はないと思うが」
(貴族派……?)
「その者らは言わば昔の貴族だ。貴族としての誇りが高く、貴族としての秩序を重んじる。余は……あの者らが黒幕ではないか…と予想している」
「貴族派とそうでな者。見分け方はあるのでしょうか?」
「見分け方はない。ドラゴンならともかく皆同じ人間だからな。強いて言うのであれば……ベルデーク公爵と呼ばれる者には近づかない事だ」
(ベルデーク公爵様には、既にお会いしてしまったのですけど……)
確かに感じの悪い方ではあった。
人を見下す様な鋭い目つきに、あの時は本能が危険だと告げた。
貴族派とは、もしかしたらあの様な人達の事を指すのだろうか。



