あそこは、ドラゴン使いでさえも手が付けられないと判断された凶暴なドラゴンが閉じ込められている竜舎。 あそこには一人の世話係以外、基本立ち入らない。 立ち入れない事になっている。 そんな竜舎に、普通の人間が長時間閉じ込められたらどうなるのか。 待つのは悲惨な結果だ。 (………頼むから……間に合え………っ…) 全力で走るのは、いつぶりだろうか。 汗が顔の曲線を伝って、下へ流れ落ちる。 曇天の空から降り出した雨が、そこにあるもの全てを濡らした。