嘘の証拠を皇帝陛下へ手渡し、私をここから追放するつもりだ。


「殺人未遂…と言えど罪は重い。それが例え皇族だとしてもな」


例え真実ではないとしても、追い出せる理由が出来たのだ。


皇帝陛下は必ず私を追い出そうとするだろう。


「悪いがこの場で処罰を言い渡す」


皇帝陛下の低く重みのある声が、王の間に響き渡る。


修道院行きか、国外追放か。


あるいは最悪、死刑か。


ただ、愛しただけなのに。


この国の誰よりも信じていたのに。


最後の最後まで、裏切られたなんて。


"また"死ぬかもしれないなんて。



(……………………また?)