「どうか怒りをお鎮め下さいませ」


「何だと……?余に指図するつもりか」


淡々としたルークスの口調に、険しく眉間にシワを寄せる。


「皆が萎縮してしまいます」


「だから何だ?」


「王様の持つそのお力はとても尊いものでございます。その様に無闇に力を使われては、お身体に障ります」


「……………チ…ッ…」


その言葉に何とかして、落ち着かせる。


自分では制御していたつもりだったが、今回は無意識だった。


「面倒な力だな……」


竜王のみ使える力『竜の怒り』。


雷を自由に操れる特殊能力で、鋭い稲妻を自由自在に走らせる事が出来るその力は、


その気になれば辺り一帯を更地にする事すら出来る。


使い方によっては恐ろしい力にもなるが、使い方さえ間違えなければ実に役に立つ力だ。