「続けて質問申し訳ありませんが、お妃様はどちらでしょうか?確かこちらへおられると聞いたのですが…」
侍女と護衛騎士の姿はあるのに、一番肝心の人の姿は見えない。
辺りを見渡すと、元から取り乱した侍女が更にもっと取り乱す結果となった。
「…私が………私が悪いのです!!!」
床に座り込んだまま、泣き叫ぶ侍女。
やはり嫌な予感しかしない。
「………うぅ……っ……う…っ」
侍女は泣いたままで、全然状態が伝わってこない。
これでは話にならない。
「…いい加減泣き止みなさい!!一体何があったのですか」
大きな声で怒鳴ると、泣いていたその侍女は体を小さく震わせてゆっくりと口を開いた。
お妃様は一体どこに居るのか。
ここで何があったのか。
ただそれを聞きたかっただけなのに。
その侍女が口にした言葉とは、何とも恐ろしい内容だった。



