週明けの月曜日の朝


私がちょっと緊張してる事も貴方は知らない


金曜の夜に濃密な時間を過ごした事なんて微塵も感じさせない貴方


負けず嫌いの私は完璧な装いと隙のないメイクで対抗する


なんて…自己満足なのかもね


会社での矢野将太郎は仕事の鬼


海外業務本部の課長というポストは伊達じゃない


今年の春に本社に戻るまで4年間欧州と北米の支社にいた


だから謎めいてるんだろうか


「結城さん」


冷たい素っ気ない声で私を呼びつける


冷たい刺さるような視線で指示を出し


今日も終わりのない仕事を突きつけられた


フッ…週明けいきなり残業か?


文句の1つも言いたいトコをグッと我慢して


私も冷めた笑顔で受け取ってみせた


なぜだろう


この男に負けたくない


何とも言い難いこの気持ちを名付けるとしたら…


やめよう


時間の無駄だ


「奈生。お前課長に恨みでもかってんの?」

『うるさい。颯太』


両手いっぱいの資料を持つ私をからかう男


同期の坂本颯太


私の元カレ


今はただの同僚


それ以下かも