神々の宴…

10月13日ー。
16時30分ー。
ににぎは、裏道から、桜に行った。
順番は、すぐに、来た。
裏口で待っていたのは、あんだった。
「ににぎ様ですね?
お待ちしておりました。」
俺は、あんに、札をもらった。
見てみると、今日は、桜のろの間になっていた。
「(ホントに、毎日、桜の間にするつもりなのかなぁ……。)」
本日の担当の子が、挨拶に来た。
「本日も、担当は、わたし、えまにございます。
よろしくお願いします!」
「よろしく。」
「では、まず、初めの一杯をお聞き致します。」
「シャーリーテンプルで。」
「かしこまりました。」
えまは、一礼して、部屋を出た。
「(なるほど。)
(これなら、誰にもバレないな……。)
(まさか、政界の方々と同じ扱いになるとは……。)
(まぁ、仕方ないよな……。)
(兄貴達があんなんじゃ……。)
(でも、サクヤのことで、兄貴が、あんなに怒るとはなぁ……。)」
そこに、飲み物を持った、サクヤが来た。
「いらっしゃいませ。
ににぎ様。」
サクヤは、微笑んだ。
「ありがとう、サクヤ。」
ににぎは、昨日から、気になってたことをサクヤに聞いた。
「答えにくかったら、答えなくていいからね?
兄貴、親父、スすさのお叔父さん、つくよみ叔父さんにも、告白された……?」
「内緒ですよ?」
「うん。」
「全員に告白されました。
お断りをしてますが……。
すさのお様だけは、毎日、ご来店して下さって、毎日、告白されます……。」
「えっ?!
くしなださん居るのに?」
「はい。
ひどい時は、くしなだ様の目の前で告白されます……。」
「えっ……。」
「ですから、よく、往復ビンタされてますよ。」
サクヤは、ふふっと笑った。
「(往復ビンタって……。)
でも、毎日、告白されるんだ?」
「そうなんです……。」
「へぇー……。
兄貴達は?」
「すさのお様より、しつこくはありませんが、やはり、言われますね……。」
「(今……、サクヤに、告白しようかなぁ……。)
(振られる覚悟で。)
(でもなぁ……。)」
ににぎが迷っていると、ににぎのスマホが鳴った。
相手は、ほあかり。
出ない訳にいかず、電話に出た。
「お前、今、どこにいる?」
「友達と晩ご飯食べに出てる。」
「桜?」
「いや、近いけど違う。」
「そうか……。
じゃあ、俺だけ行こ。」
「あぁ、誘ってくれたのに、ごめん。」
「いや、大丈夫だよ。
じゃあな。」
電話を終えると、サクヤの方を見た。
「兄貴が、来るって……。」
「分かりました。
では、上のフジの間に、ご案内致します。」
サクヤは、インカムで、指示を出した。
「サクヤって、ホントに、仕事熱心だよなぁ……。
尊敬するよ。」
「ありがとうございます。」
「あっ、明日も、予約していい?」
「申し訳ございません。
明日は、店休日なんです……。」
「店休日かぁー……。
店休日、サクヤは何してるの?」
「幹部ミーティングです。
最近、祝い膳や、バースデー、ウエディングなど、お祝いごとについての、質問が、お客様より、多く出てきたので、そのミーティングです。
考えることが多くて……。」
「それじゃ、全然、休めてないじゃんっ!
大丈夫なの?!」
「大丈夫です。
心配してくれて、ありがとうございます。」
「無理だけは、しないでね?」
「はい。」
サクヤは、ニコッと微笑んだ。
帰り、ににぎは、裏口から裏道を通って帰った。