KANATA~answers of your selection~

午後7時半。


学校に許可は取ってあるとはいえ、そろそろ帰らなければならない時間になってきていた。



「天の河は見られなかったけど、これは成功させよう!皆ペットボトルロケットは持ってきた?」


「もちろんすよ!」


「オレの最高傑作です。これは飛びそうです」


「私たちは2人で1つ作りました!」


「うおっ!すごい!堀江くん気合い入ってるね!」



各々工夫して作り上げたロケットを発射台に乗せる。



「皆でカウントダウンだ!5秒前...」


「よん、さん、にい、いーち!...発射!」



プシューッ!


七夕の夜空に7つのロケットが飛んでいく。


長距離は飛ばせないけれど、一瞬舞い上がり儚く落ちていくその様子はなかなか感動した。


ロケットはいつの時代も夢を乗せて飛んできた。


オレたちの夢もきっと夜空に咲いただろう。


なんて言って、オレは何も願わなかったけれど。



「いやあ、すごかった」


「またやりましょう!」


「今度は校庭でやりましょう。飛距離を伸ばしたいですから」



こうして楽しい雰囲気のまま七夕パーティーは幕を下ろしたのだった。