KANATA~answers of your selection~

扉の向こうの景色はまるっきり変わっていた。


柵の色は白でガラスで囲われている。


人工芝が敷かれ、屋上庭園のような感じである。



「変わりましたねえ随分」


「ああ、変わったな」



でも、オレには見えていた。


あの日と同じ場所に立つ、凛としていて儚い彼女の姿が。


夕日に照らされ、まるで絵画のように美しかった彼女がまぶたの裏で甦った。



「じゃあ、どんどん組み立てて行こう」



いつもは消極的で自分たちの中で話を終わらせている2年がオレや良を頼ったり、1年同士が話し合ってセッティングしたり。


朝日ヶ丘高校の天文部は、まるで星座のように、1人1人が星で見えない線で結ばれているかのように感じた。


ただ単に部で括られた8人が1つのイベントを通してその中に確かな絆を見つけた。


そしてオレはふと思った。


辻村に言いたい。


話したい。


聞いてほしい。


オレはもう辻村に...。



「奏太先輩こっち手伝って下さい!」


「分かった。今行く!」