KANATA~answers of your selection~

「おっはー奏太」


「おはよう」


「なんだなんだ、奏太今日はご機嫌じゃないか。何か良いことでもあったか?」


「別に何もねえよ」


「ホントか?」


「ホントだよ。逆に嘘つく理由が分からない」


「ったくよー、遂にカノジョでも出来たのかと思ったわ。こんなイケメンなのに色恋沙汰の1つもなくて可哀想なやつだな」


「そういう良こそ何もねえじゃねえかよ。人のこと心配する前に自分の心配しろ」



オレのその言葉に良はちっちっちーと人差し指を揺らした。



「俺はな、もう心配していいんだよ」


「は?」


「飲み込みの悪いやつだな。この際だからはっきり言う。おい、耳貸せ」



はっきり言うとか言いながら耳貸せとはどういうことだ?


相変わらずとんちんかんなやつだが、オレは耳を差し出した。


オレの耳に息が吹き込まれる。



「俺、実は......」