KANATA~answers of your selection~

良の一言で解散とはなったが1年は皆残ってペットボトルロケットの構図を考えるつもりらしかった。


「まずはペットボトルから集めないと」


「ペットボトルって500のがいいんですか?」


「オレも作ったことが無いから分かんないんだけど...」


「ペットボトルは圧力に耐えられるように炭酸のものを使うと良いらしいですよ。調べれば全部説明載ってます」



便利なECCの検索機能で調べ始め、必要な材料をノートに書き込んでいく堀江くん。


ペットボトルロケットがここまで彼を熱くさせるとは思ってもみなかった。



「100均で全部揃うらしいので材料買ってから帰ります。では僕はこれで」


「堀江くんのロケット楽しみにしてるよ!」


「あっ、うん。あり...がとう」


辻村に応援されたのが嬉しかったのか、堀江くんは頬を紅潮させながら去っていった。


女子に免疫が無いのはオレも堀江くんも一緒だ。



「堀江くん夏向に話しかけてもらって嬉しそうだったね」


「堀江くんなかなか面白いと思うんだよね~。もっと話してみたいんだけど、あんな感じだからどう接したら良いか分からなくて」


「かなに分からないなら私は尚更ちんぷんかんぷんだよ」


「たった3人だから仲良くしなきゃなのに全然心のキョリ埋まってないよ」


「そうだよね。なんとか仲良くなれるといいけど」



そうか。


もうそういう時期か。


オレたちももう引退なんだ。


そしたら5人でやっていくんだ。


オレは後輩に何か残したい。


頼りない先輩だったけど、後輩はオレに着いてきてくれた。


オレは後輩に何を残せるだろう。


オレを陥れたあのような先輩みたいにはならないよう、最後まで温かく見守ろう。


それが今のオレの役割だ。



「奏太先輩はまだ残りますか?私たちも買い物してから帰ろうと思うんですけど」


「オレはもうちょい残ってくよ。気をつけて帰ってね」


「奏太先輩こそ気をつけて帰って下さいよ」



皮肉を言えるくらいまで仲良くなれたんだな。


後輩とこんな風に話せるようになれて良かった。


喜びを噛みしめつつ、引退後の未来を考えていた。