プラネタリウムはもうなん十回目だろう。
説明の導入もやり方も結びの言葉も全て記憶している。
今日の案内役はベテランの加護さんだろうか。
今日も眠くなるかもしれない。
「奏太先輩、ここら辺でいいですか?」
「ああ、いいよ」
辻村はさっきまでの暗い表情を振り払い、笑顔を向けてくる。
コロコロ表情が変わるお天気屋といえばそうなのだろうが、なぜか嫌じゃない。
それはきっと辻村から放たれる圧倒的なオーラのせいなのかもしれない。
有無を言わせない強さが辻村には宿っている。
「奏太先輩、さっきの話の続きなんですけど」
彼女の声に反応してちらっと視線を左隣に向けると、辻村は真っ直ぐ薄暗い天井を見上げていた。
それは出会ったあの日、夕日に照らされていた横顔と同じくらい、どこか神秘的で儚かった。
「私、こう見えて本気でパラレルワールドを信じちゃってるんですよ。だってこっちの世界で嫌なことがあったり、失敗したりしても別の世界だったらうまくいってるかもしれない。私は信じたいんです、何もかも思い通りにいっている世界を。そう...ユートピアみたいな、そういうものを」
「意外だな。辻村が理想主義的なんて」
「そうですか?」
「うん、意外」
「じゃあ聞きますけど、奏太先輩の目には私がどう映ってますか?」
「えっ?どうって聞かれても」
オレは辻村をどう思っているのだろう。
この1ヶ月同じ時を過ごしてきてオレはどう感じたのだろう。
考えてみても具体的な像が浮かばない。
周りの子供たちのひそひそ話が妙に大きく聞こえてくる。
――とそうこうしているうちに上映時間になった。
「只今よりプラネタリウムの上映会を始めます。皆様、夜空をご覧下さい。まばゆいばかりの星たちが夜空を彩っております。南に見えますのは...」
説明の導入もやり方も結びの言葉も全て記憶している。
今日の案内役はベテランの加護さんだろうか。
今日も眠くなるかもしれない。
「奏太先輩、ここら辺でいいですか?」
「ああ、いいよ」
辻村はさっきまでの暗い表情を振り払い、笑顔を向けてくる。
コロコロ表情が変わるお天気屋といえばそうなのだろうが、なぜか嫌じゃない。
それはきっと辻村から放たれる圧倒的なオーラのせいなのかもしれない。
有無を言わせない強さが辻村には宿っている。
「奏太先輩、さっきの話の続きなんですけど」
彼女の声に反応してちらっと視線を左隣に向けると、辻村は真っ直ぐ薄暗い天井を見上げていた。
それは出会ったあの日、夕日に照らされていた横顔と同じくらい、どこか神秘的で儚かった。
「私、こう見えて本気でパラレルワールドを信じちゃってるんですよ。だってこっちの世界で嫌なことがあったり、失敗したりしても別の世界だったらうまくいってるかもしれない。私は信じたいんです、何もかも思い通りにいっている世界を。そう...ユートピアみたいな、そういうものを」
「意外だな。辻村が理想主義的なんて」
「そうですか?」
「うん、意外」
「じゃあ聞きますけど、奏太先輩の目には私がどう映ってますか?」
「えっ?どうって聞かれても」
オレは辻村をどう思っているのだろう。
この1ヶ月同じ時を過ごしてきてオレはどう感じたのだろう。
考えてみても具体的な像が浮かばない。
周りの子供たちのひそひそ話が妙に大きく聞こえてくる。
――とそうこうしているうちに上映時間になった。
「只今よりプラネタリウムの上映会を始めます。皆様、夜空をご覧下さい。まばゆいばかりの星たちが夜空を彩っております。南に見えますのは...」



