「奏太先輩、私達はどうします?帰りますか?」
「オレは家に帰っても門前払いされるからまだここいる」
「門前払いってなんなんですか?家族から嫌われてるんですか?」
「妹の友達が来て女子会やってるんだよ。毎週1日はやってる」
「へえ、妹いるんですね」
「いやいや、オレ言ったよな、最初の方に」
「そうでしたっけ?」
さてはこの子、人の話真面目に聞いてないな。
聞いてるふりして誰にでもいい顔して、笑顔でテキトーに相槌打ってればいいと思っちゃってるタイプだ、きっと。
一応きこうぜ、話くらい。
「ま、興味ないならいいけど」
「興味なくないです!奏太先輩に興味津々ですよ~」
「ほんとかよ」
「ほんとですよ!ってことでバスケしましょう」
「は?」
なぜこの流れでバスケ?
意味不明。
理解不能。
「辻村さあ、自由過ぎるよ」
「バスケ部だったってことは覚えてましたよってことをアピールです!やりましょやりましょ。怪我、もう大丈夫でしょう?」
なんだよ、聞いてんじゃん。
怪我して辞めた設定な。
確かにしたけど選手生命をぶったぎるほどの怪我ではなかった。
事実とは異なる。
知らない方がいい。
オレ自身も知られたくない。
ならばバスケは忘れたいくらいだ。
「私の家の近所にいい場所があるんですよ。そこに行きましょう」
「そう言われても...」
「先輩って徒歩?チャリ?電車?えっもしかしてバイク?」
「バイクなわけねえだろ。電車だよ。最寄りはアサギ駅」
「うっそ!私もそこですよ。そっからニュータウン行きのバスに乗るんですけど、ニュータウンの手前で降ります。裁判所前ですよ」
「マジかよ。オレはそのニュータウンに家あるけど。それにしてもすっげえ偶然だ」
「いや運命ですよ、運命。私達はきっと運命の赤い糸で...」
「何回も言ってるだろ。冗談はやめろって」
「冗談...なんかじゃない...」
突然しょぼくれる。
オレにかまってもらいたくてこうしてるのは分かってる。
いつものことだ。
「私、本当に奏太先輩のこと...」
「行くぞ。いい場所ってASAGIスポーツパークのことだろ?」
「あっ、はい」
「一緒に行こ。な?」
3秒後、笑う。
3、
2、
1...
「やったー!早く行きましょう!」
やっぱり笑った。
辻村が笑ってくれるとこっちも安心する。
ご機嫌取りってのももちろんあるけど、本気で笑ってほしいと思ってる。
太陽のようにこんなに眩しい笑顔を見せてくれるのは後にも先にも辻村だけだ。
「奏太先輩と帰れるなんて嬉しい!だっていっつも良先輩のこと待ってるんだもん。ああ、でもこれからは毎日一緒に帰りましょうね!良先輩と真希のためにも」
「いや、それは困る」
「いいじゃないですか!こうなれば付き合ってるも同然ですよ」
勘違いも甚だしい。
おしゃべりしていては一向に帰れなくなりそうなので、オレは勢いよくリュックを背負い、ドアを開けた。
「あっ!ちょっと待って下さい!」
「オレは家に帰っても門前払いされるからまだここいる」
「門前払いってなんなんですか?家族から嫌われてるんですか?」
「妹の友達が来て女子会やってるんだよ。毎週1日はやってる」
「へえ、妹いるんですね」
「いやいや、オレ言ったよな、最初の方に」
「そうでしたっけ?」
さてはこの子、人の話真面目に聞いてないな。
聞いてるふりして誰にでもいい顔して、笑顔でテキトーに相槌打ってればいいと思っちゃってるタイプだ、きっと。
一応きこうぜ、話くらい。
「ま、興味ないならいいけど」
「興味なくないです!奏太先輩に興味津々ですよ~」
「ほんとかよ」
「ほんとですよ!ってことでバスケしましょう」
「は?」
なぜこの流れでバスケ?
意味不明。
理解不能。
「辻村さあ、自由過ぎるよ」
「バスケ部だったってことは覚えてましたよってことをアピールです!やりましょやりましょ。怪我、もう大丈夫でしょう?」
なんだよ、聞いてんじゃん。
怪我して辞めた設定な。
確かにしたけど選手生命をぶったぎるほどの怪我ではなかった。
事実とは異なる。
知らない方がいい。
オレ自身も知られたくない。
ならばバスケは忘れたいくらいだ。
「私の家の近所にいい場所があるんですよ。そこに行きましょう」
「そう言われても...」
「先輩って徒歩?チャリ?電車?えっもしかしてバイク?」
「バイクなわけねえだろ。電車だよ。最寄りはアサギ駅」
「うっそ!私もそこですよ。そっからニュータウン行きのバスに乗るんですけど、ニュータウンの手前で降ります。裁判所前ですよ」
「マジかよ。オレはそのニュータウンに家あるけど。それにしてもすっげえ偶然だ」
「いや運命ですよ、運命。私達はきっと運命の赤い糸で...」
「何回も言ってるだろ。冗談はやめろって」
「冗談...なんかじゃない...」
突然しょぼくれる。
オレにかまってもらいたくてこうしてるのは分かってる。
いつものことだ。
「私、本当に奏太先輩のこと...」
「行くぞ。いい場所ってASAGIスポーツパークのことだろ?」
「あっ、はい」
「一緒に行こ。な?」
3秒後、笑う。
3、
2、
1...
「やったー!早く行きましょう!」
やっぱり笑った。
辻村が笑ってくれるとこっちも安心する。
ご機嫌取りってのももちろんあるけど、本気で笑ってほしいと思ってる。
太陽のようにこんなに眩しい笑顔を見せてくれるのは後にも先にも辻村だけだ。
「奏太先輩と帰れるなんて嬉しい!だっていっつも良先輩のこと待ってるんだもん。ああ、でもこれからは毎日一緒に帰りましょうね!良先輩と真希のためにも」
「いや、それは困る」
「いいじゃないですか!こうなれば付き合ってるも同然ですよ」
勘違いも甚だしい。
おしゃべりしていては一向に帰れなくなりそうなので、オレは勢いよくリュックを背負い、ドアを開けた。
「あっ!ちょっと待って下さい!」



