KANATA~answers of your selection~

「あの、ひとついいですか」


「何?」



さっきとは打って変わって彼女はにやけていた。


今度はどんな爆弾を落とすつもりなんだ?



「辻村さんって呼ぶの止めてもらえませんか」


「えっ?」


「かなたって呼んで下さい。そう呼ばれたいんです」



何言ってるんだこの子は?


オレの頭上に出現した疑問符は行き場がなく浮遊していた。



「それはちょっと...」


「何でですか?奏太先輩、女子のこと呼び捨てにしたことないんですか?」



未夢のことは呼び捨てにしているが、未夢は幼なじみであるからで、辻村さんとはまだ出会ったばかりだ。


そんな親しげにオレは呼べない。



「幼なじみでもカノジョでもないんだし、無理だ」


「んじゃあカノジョになります。私、奏太先輩のカノジョに立候補します!」


「は?」



本当にさっきから何を言ってるんだ。


ぶっ飛んでる。


思考がぶっ飛んでる。


なんなら宇宙の彼方に飛んでいけるレベル。


どうやってこの子をコントロールしたらいいんだ?


オレにはさっぱり分からない。


だから取り敢えず...



「人来ないし、良たちのところ行こうっと」



そう言って立ち去ろうとしたら、左腕をがっしり捕まれた。



「行かないで下さい」


「さっきから何?辻村さんは何をしたいの?」


「かなたって呼んでほしい。呼んでもらえるまで離しません」


「子供じゃないんだからさ、わがまま言わないで。オレにはオレの考えがある」


「奏太先輩の考えなんて分かりません。分かりたくありません」



はあ。


一体どうしたらいいんだ?


誰か助けてくれよ。