KANATA~answers of your selection~

「今日はふらふらするだけでいっか」


「ダメですよ、そんなの!ちゃんと部員集めましょう」


「別にそんな大人数要らないし。帰宅部になりたくない人が入ればいいんだ」



オレが適当論を語ると辻村さんは膨れ上がった。



「大勢の方が楽しいですよ。いっぱい集めましょう!ね?」


「大勢の方がいいのはサッカーとか野球とか、文化部でいったら吹奏楽部だろ。オレたちは個人戦。もしかして中学時代バスケとかやってた?」


「すっごーい!なんで分かるんですか?!」



ノリが体育会系だ。


髪もポニーテールだし、明るいし、団体好きだし、イメージがバスケ部女子なんだ。


近くで見てきたから分かる。



「ま、勘かな」


「じゃあ、奏太先輩は?中学時代何やってたんですか?」


「オレも同じ」


「えっ?!バスケ部?!うっわ!めっちゃ嬉しいです!」



嬉しい、か...。


どうしてそう思えるんだろう。


オレと会ったばっかりなのに。


運命という刷り込みは恐ろしい。



「高校ではなんでバスケ部に入らなかったんですか?」


「入ってたよ、去年まで。でも怪我したから辞めた。ドクターストップだからしょうがない」



半分本当で半分嘘。


隠したいことは隠し通したい。


美化したいことは美化したい。


そう思うオレが胸の奥でうずいていた。



「それならしょうがないですよね。運動してたらそういうこともありますよ」


「辻村さんはなんで入らないの?バスケ嫌いだった?」


「いや、嫌いじゃなくてむしろ大好きなんですけど...なんていうかけがしたくなくて」


「怪我したくない?」



辻村さんは大きく首を真横に振った。



「その怪我じゃなくて汚すの方の汚すですよ。中学のピーク時のキラキラしてた私とその思い出を汚すのが嫌なんです」


「汚す?なんで?嫌な予感するの?いじめとか?」


「ま、そんなところですかね。中学時代楽しかったんでそこで止めておきたいんですよ」



なんだか納得がいかない。


絶対何か隠してる。


オレも隠してるから堂々と聞けないけど。


辻村さんも何かあったんだろうか。


他人に干渉されたくない過去、他人に触れられたくない理由が彼女の中にあるのかもしれない。


ならばお互いにそこは伏せて生活しよう。


それが1番だ。