「おい、辻村!」
オレの声に反応して辻村が振り返る。
振り向き様の微笑みには生気が宿っておらず、死んだ魚の目をしていた。
しかし、こんなので怯えていられない。
助けられるのはオレしかいないんだ。
伝えるんだ。
今ここで伝えなきゃ何も伝わらない。
「辻村、手貸すから戻って来い」
「嫌。もうこんな身体で生きていたくない。私、今日ここで死ぬの。死にたいの。ねえ、死なせてよ。奏太先輩なら、私の言うこと聞いてくれるでしょう?」
「何言ってるんだ。辻村が死ぬなんてそんなのオレが許さない」
「許すも許さないも私の勝手です。死ぬって決めたんです。ドナーも見つからないし、この先何年生きられるか分からない。なら、ここで死んだ方がマシ。誰にも迷惑かけず、1人で飛び降りて死ぬの」
こんなの辻村じゃない。
こんな辻村を見たくない。
オレは靴を脱いで、辻村に近づいて行った。
「奏太先輩何してるんですか?」
「辻村の隣に行く」
「奏太先輩は来ちゃダメです。ここは私の死ぬ場所。来ないで下さい」
「辻村の居場所はそこじゃない!」
オレはためらわず、辻村が踏み台にしたであろう車イスと小高い木を伝って小屋の上に登った。
風がビュービュー吹いていて辻村の髪の毛が顔を覆い、前が見えなくなっていた。
オレはそれを利用して風が強く吹いた瞬間に辻村に抱きついた。
「止めて下さい!」
か細い手には登る時についたであろう傷がたくさんあり、オレはそれを見て泣きたくなるのをこらえ、辻村を強く抱き締めた。
ここで繋ぎ止めなければ、オレはまた後悔する。
もう離さない。
そう決めたから、オレは迷わない。
「辻村」
「キモい!離して下さい!」
「離さない。オレが離したら辻村はこの世界からいなくなっちゃうから。オレは辻村を死なせたくない。だから迎えに来た」
「お願い。帰って。もう嫌なの。辛いの。死にたいの。お願いだから離して...」
辻村の声がかすれた。
オレは力を弱め、辻村を解放し、彼女の顔を覗いた。
辻村は...泣いていた。
オレの前で初めて泣いた。
きっと今までだって何回も泣きたい時はあったはずだ。
それでも泣かずに、オレに笑顔を見せてくれた辻村は強い。
そんな彼女が乗り越えられない試練などない。
オレが保証する。
「辻村。ないていいよ。今まで我慢して来た分泣いていい。全部オレが受け止めるから」
オレの声に反応して辻村が振り返る。
振り向き様の微笑みには生気が宿っておらず、死んだ魚の目をしていた。
しかし、こんなので怯えていられない。
助けられるのはオレしかいないんだ。
伝えるんだ。
今ここで伝えなきゃ何も伝わらない。
「辻村、手貸すから戻って来い」
「嫌。もうこんな身体で生きていたくない。私、今日ここで死ぬの。死にたいの。ねえ、死なせてよ。奏太先輩なら、私の言うこと聞いてくれるでしょう?」
「何言ってるんだ。辻村が死ぬなんてそんなのオレが許さない」
「許すも許さないも私の勝手です。死ぬって決めたんです。ドナーも見つからないし、この先何年生きられるか分からない。なら、ここで死んだ方がマシ。誰にも迷惑かけず、1人で飛び降りて死ぬの」
こんなの辻村じゃない。
こんな辻村を見たくない。
オレは靴を脱いで、辻村に近づいて行った。
「奏太先輩何してるんですか?」
「辻村の隣に行く」
「奏太先輩は来ちゃダメです。ここは私の死ぬ場所。来ないで下さい」
「辻村の居場所はそこじゃない!」
オレはためらわず、辻村が踏み台にしたであろう車イスと小高い木を伝って小屋の上に登った。
風がビュービュー吹いていて辻村の髪の毛が顔を覆い、前が見えなくなっていた。
オレはそれを利用して風が強く吹いた瞬間に辻村に抱きついた。
「止めて下さい!」
か細い手には登る時についたであろう傷がたくさんあり、オレはそれを見て泣きたくなるのをこらえ、辻村を強く抱き締めた。
ここで繋ぎ止めなければ、オレはまた後悔する。
もう離さない。
そう決めたから、オレは迷わない。
「辻村」
「キモい!離して下さい!」
「離さない。オレが離したら辻村はこの世界からいなくなっちゃうから。オレは辻村を死なせたくない。だから迎えに来た」
「お願い。帰って。もう嫌なの。辛いの。死にたいの。お願いだから離して...」
辻村の声がかすれた。
オレは力を弱め、辻村を解放し、彼女の顔を覗いた。
辻村は...泣いていた。
オレの前で初めて泣いた。
きっと今までだって何回も泣きたい時はあったはずだ。
それでも泣かずに、オレに笑顔を見せてくれた辻村は強い。
そんな彼女が乗り越えられない試練などない。
オレが保証する。
「辻村。ないていいよ。今まで我慢して来た分泣いていい。全部オレが受け止めるから」



