KANATA~answers of your selection~

あの日、オレが開けた扉の向こうには1人の少女がいた。


物憂げな表情で、どこか儚く、切ない。


夕日に照らされた彼女の頬は茜色に紅潮し、凛としていて美しかった。


オレは彼女に自分と同じようなものを感じ取った。


同じ雰囲気、


同じ波長、


同じ呼吸の仕方、


同じ心の色。


オレは自分と似ているキミから逃げようとしてキミに捕まった。


キミはオレを逃がさなかった。


初対面の男に抱きつくなんて本当に訳がわからないやつだ。


軽々しく好きだとか言うし、


わがままで、機嫌を損ねたら直るまでに一苦労。


普通なら、オレはキミを嫌いになっていた。


こんな面倒なやつ、ごめんだって投げ出したかった。


でも、嫌いになれなかった。


あの日キミがオレを離さないでいてくれたから今のオレがある。


だから今度はオレがキミを離さない。


離したくない。


キミの笑顔をもう一度見たい。


キミに会いたい。


キミに会って伝えたい。


キミにまだ言っていないことがあるから。


キミに死なれたら何も言えなくなってしまう。


キミの笑顔を見ることも出来なくなる。


そんなのオレが許さない。


オレはキミに変えてもらった。


オレはキミに教えてもらった。


だからオレはキミに恩返しがしたい。


約束だってまだ果たせていないじゃないか。


忘れたなんて言わせない。


オレは確かに覚えている。


キミに伝えていないことが山ほどある。


キミに話したいことは尽きない。


オレを1人にするな。


オレはもう離さないから。


キミに会って伝えさせてほしい。


オレは...


オレは...


キミが......。