KANATA~answers of your selection~

錆びた柵を気にすることなく寄りかかる1人の少女がいた。


真新しいシワひとつないスカートが心地良さそうに春風に揺られている。


1年生なのは見れば分かる。


だけどそれ以上に何か彼女から伝わるものがあった。


意図せず彼女から発されているシグナル。


なんとなく分かる。


オレと似ているから...。


オレは踵を返した。


面倒なことに巻き込まれたくない。


心理的負担ほど今のオレがいらないものはない。


もう2度とここには来ない。


そう誓って静かにドアを開けて立ち去る。


...つもりだった。