彼女たちがいなくなった後、オレは意識が朦朧とし、突如激しい頭痛に襲われ、その場に倒れこんだ。
気がついた時にはすでに別の場所にいた。
「ったく、どこだよここは...」
オレの微かな呟きが反響する。
どうやら普通の場所ではないらしい。
もしかしてあのまま死んでここは棺桶の中?
いや、それにしては広すぎる。
ここは...どこだ?
「お気づきになられたんですね」
声のする方へ振り返ろうとしたら、オレはまっ逆さまに床に落ちた。
ベッドの上だったか。
全身を強打し、割れるように痛い。
立ち上がろうにもなかなか力が入らない。
「大丈夫ですか?」
「あ、はい。大丈夫...です」
この歳になって女性の手を借りて立ち上がるなんてみっともないが仕方がなかった。
この世界に来てから自分の体が自分のものじゃないみたいで、ふわふわしているのだ。
「すみません。ありがとうございます」
「いえいえ。礼を言わなければならないのはこちらの方よ。被験者になってくれてありがとう」
「ってことは...」
「私はこの世界に意識だけ派遣されている、慶徳大学大学院でパラレルワールドの研究をさせて頂いている松井英里(まついえり)と申します。長内教授の元で研究をしておりまして、早3年になります。私は被験者と共に平行世界を渡り、サポートをさせて頂いております。今回は教授の説明で不十分だった点がありましたのでこちらにお呼び致しました」
やはり内部に干渉者がいたのか。
そうしないと、いざとなった時に本当に殺しかけないからな。
「オレ、さっきまで頭痛がしてて気がついたらここにいたんですけど、一体どういうことなんですか」
「ここにいる奏太さんは本体の奏太さんではなく、魂や無意識下にあるあなたの像が具現化されたものです。そもそも夢の中ですし、普通の夢と同じように途中で途切れることもあります。ですから、頭痛を感じてもそこであちらの人間が奏太さんの脳波に刺激を与えることで場面を変えたり途切れさせたりすることは可能です」
「だから最初にあのヘルメットを着けさせて脳波を管理出来るようにしたと」
「はい、そうです」
「だとしたら、この世界自体あなた方は干渉出来ることになりますよね?脳波を操作し、パラレルワールドと偽り、別の世界を作り出して信じこませる。被験者を利用して各個人のユートピアを創造したりしていませんか?」
「素晴らしい発想ですが、残念ながら、現段階ではそのようなことは出来ません。今奏太さんと会っているのも奇跡と呼べるほどです。本来は目覚めた時に私が側にいなくてはならなかったのですがあちらの操作ミスでこうなってしまいました。私の波長と奏太さんの波長がピタリと合っている間だけしか会えないんです」
「そうだったんですか。失礼なこと言ってすみませんでした」
「いえ。とても素晴らしい想像力だと思います」
なんて言われて有頂天になっている場合ではない。
冷静になって松井さんの話を聞かなくては。
気がついた時にはすでに別の場所にいた。
「ったく、どこだよここは...」
オレの微かな呟きが反響する。
どうやら普通の場所ではないらしい。
もしかしてあのまま死んでここは棺桶の中?
いや、それにしては広すぎる。
ここは...どこだ?
「お気づきになられたんですね」
声のする方へ振り返ろうとしたら、オレはまっ逆さまに床に落ちた。
ベッドの上だったか。
全身を強打し、割れるように痛い。
立ち上がろうにもなかなか力が入らない。
「大丈夫ですか?」
「あ、はい。大丈夫...です」
この歳になって女性の手を借りて立ち上がるなんてみっともないが仕方がなかった。
この世界に来てから自分の体が自分のものじゃないみたいで、ふわふわしているのだ。
「すみません。ありがとうございます」
「いえいえ。礼を言わなければならないのはこちらの方よ。被験者になってくれてありがとう」
「ってことは...」
「私はこの世界に意識だけ派遣されている、慶徳大学大学院でパラレルワールドの研究をさせて頂いている松井英里(まついえり)と申します。長内教授の元で研究をしておりまして、早3年になります。私は被験者と共に平行世界を渡り、サポートをさせて頂いております。今回は教授の説明で不十分だった点がありましたのでこちらにお呼び致しました」
やはり内部に干渉者がいたのか。
そうしないと、いざとなった時に本当に殺しかけないからな。
「オレ、さっきまで頭痛がしてて気がついたらここにいたんですけど、一体どういうことなんですか」
「ここにいる奏太さんは本体の奏太さんではなく、魂や無意識下にあるあなたの像が具現化されたものです。そもそも夢の中ですし、普通の夢と同じように途中で途切れることもあります。ですから、頭痛を感じてもそこであちらの人間が奏太さんの脳波に刺激を与えることで場面を変えたり途切れさせたりすることは可能です」
「だから最初にあのヘルメットを着けさせて脳波を管理出来るようにしたと」
「はい、そうです」
「だとしたら、この世界自体あなた方は干渉出来ることになりますよね?脳波を操作し、パラレルワールドと偽り、別の世界を作り出して信じこませる。被験者を利用して各個人のユートピアを創造したりしていませんか?」
「素晴らしい発想ですが、残念ながら、現段階ではそのようなことは出来ません。今奏太さんと会っているのも奇跡と呼べるほどです。本来は目覚めた時に私が側にいなくてはならなかったのですがあちらの操作ミスでこうなってしまいました。私の波長と奏太さんの波長がピタリと合っている間だけしか会えないんです」
「そうだったんですか。失礼なこと言ってすみませんでした」
「いえ。とても素晴らしい想像力だと思います」
なんて言われて有頂天になっている場合ではない。
冷静になって松井さんの話を聞かなくては。



