背丈が俺と同じ位で柚葉と仲が良い男子、小野 優真にギロりと睨まれた。肩を掴まれ、少しだけ痛い。

「俺の…せい…」

「そうだよ、お前のせいなんだよ!柚葉ちゃんは夜通し泣いてたからだよ!部活仲間で帰るって嘘ついて女とイチャついてサイテーだな、お前」

「…柚葉には彼女が出来たって言えなかったんだよ!」

肩を握る手を振り払い、手首をねじってやった。俺だって柚葉に真っ先に言いたかった。でも、言いかけても途中で、何故か言葉を飲み込んでしまっていた。

「…ってえな、何すんだよ!」

小野も俺の手を振り解き、腕を握り返した。

「まぁ、お前が柚葉ちゃんから遠ざかってくれて俺には好都合だけどな!柚葉ちゃんは俺が奪うから」

「…っい、」

小野は自分の言いたい事を伝えたと同時に俺の腕を解放した。

授業が始まっても心の中がモヤモヤしていて、集中出来なかった。小野が図星な事を言って来たせいだ。