最近、幼なじみの祥平(しょうへい)が私以外の女の子と一緒に居るのを見ると胸が苦しくなる。祥平の側に近寄らないで、二人きりで話さないで…!私だけの祥平で居て欲しい。

この感情はきっと"恋"しているのという証拠だろう────……

「しょーうへい、今日、一緒に帰ろ?テスト前だから部活無いでしょ?」

帰りのホームルームが終わり、隣のクラスの祥平の元へと向かい、祥平を見つけては腕を絡めた。

「柚葉(ゆずは)、今日は…一緒に帰れないんだ。えと…ぶ、部活の仲間で帰るから…」

「そうなんだ?サトー君とかなら一緒に混ぜてもらおっ!」

「違うんだ、今日は佐藤達とは帰らないから…。また今度な」

絡めていた腕を祥平が振り払い、去って行ってしまった。その様子を見ていた、祥平と同じクラスの優真(ゆうま)がクスクスと笑っていた。

「柚葉ちゃん、祥平は自分勝手だねぇ。祥平なんかよりも俺と一緒に帰ろう?」

「優真!私は祥平と帰りたかったの!」

「それじゃ…天木(あまき)の後を追いかけようか?」

「行く!」

「……げんきんな奴だなぁ」

優真は祥平とは違う友達グループに居るが、私に良く話をかけてくる。私と優真の関係は、祥平繋がりのタダの友達。