好きな人といるだけで、こんなにも幸せになれるなんて……恋って偉大だなぁと改めて感じた。
「ここから先はペンギンのコーナーだって」
雄太くんが先頭を切って歩き、たっくんと春くん、奈津子と私が隣同士で歩いた。
水族館もそろそろ終盤。
終わってほしくないなぁ。
誰かと出かけてそう思ったことも今までは一度もなかった。
だけど、本当にこの時間が永遠に続けばいいのにとさえ思ってしまうほどに、たっくんと一緒にいるこの時間が幸せ。
ペンギンのコーナーに着き、たくさんのペンギンたちが水槽を勢いよく泳いでいた。
近くにトイレがあったため、私はみんなに言ってからトイレへ行った。
帰ってくると、たっくんが1人でペンギンの水槽の前にいた。
「このペンギン、ずっとここ泳いでる」
ある一匹のペンギンがたっくんの目の前を行ったり来たりしながら泳いでいて、まるで遊ぼうよーと誘ってるかのようにずっとそこにいた。
そのペンギンももちろん、ペンギンに夢中になるたっくんもなんだか可愛く思えてきて、私は一歩後ろでそれを見ていた。
「さゆ、こっちおいでよ」
そんな私に急に声をかけてきたたっくん。
そう言われ、自然と体がたっくんの方へと動く。
暗さのせいでペンギンの水槽が一段下にあることを気付かなかった私は、たっくんが目の前の段差のところで見事に転んだ。
土曜日ということもあり、他にもたくさんの人がいる中で、まあまあ派手に転んだ。



