私だけのヒーロー




男の子が苦手なはずなのに、なぜかたっくんといるときは安心して、自然と笑ってる自分がいる。



たっくんが近くにいるだけで、ドキドキして、たまに胸が苦しくなる。



はじめての感情に戸惑って、この気持ちは一体なんなんだろう……って、ここ最近家に帰るとよく考えていた。



恋愛をしたことがない私が、男の子とまともに話すらできない私が、誰かを好きになるなんて、思ってもみなかったから。



ましてや、誰かを好きになる日が、こんな近くにあるなんて考えたことがなかったから。



自分自身、とても戸惑っている。



この気持ちに名前をつけてしまったら、いつか終わりにしなければいけないような気がして……。



「好きって、その人のことばっかり気になっちゃう?」



それでも、この気持ちの正体が分からないうちはモヤモヤが消えないと思うから、この際、奈津子に相談して決着をつけたい。



「そうだね。気づいたら、その人ことばかり考えてたり、見てたりするよ」

「そっかぁ。その人と他の女の子が話してたら、嫌な気持ちになったんだけど、それも好きだから?」



恋愛初心者の私の質問に、思わず吹き出すほど笑う奈津子。



そんなに変な質問したかなぁ?



「小川拓海が他の女の子と話してる所を見て、さゆは嫌な気持ちになったの?」

「……うん」

「それがヤキモチって言うんだよ」

「あ! よく聞く! そっかぁ。私、知らないうちにヤキモチやいてたんだ……」



人生初のヤキモチに感動する私。