「ちょっと、あんた見えてるわよ。いやね~」
その時、隣のベランダから隆弘の母の声が聞こえた。
「見んなよ。悪趣味」
「そう作ったのはあんたでしょ?」
隆弘の実家と隣通しの二人の家はベランダがつなが隣同士だった。

すでに数回引っ越してから新居のベランダで隆弘の両親とバーベキューをしている。

「家の中でやりなさい。」
「うるさい。」
「華ちゃんの体冷えちゃうでしょ?」
「・・・あぁ。」
隆弘の母はそう言ってベランダから室内に入っていった。

華は隆弘の母と隆弘のやりとりを笑ってみている。

「本当に冷えちゃうな。体。」
そう言って隆弘は華の肩を抱き部屋に戻った。