「前はこの家が嫌いで仕方なかったのに・・・」
「今は?」
「大好き」
茜が満面の笑顔で司を見た。
その笑顔があまりにまぶしくて司も笑顔になる。
「それはよかった」
「司のおかげだよ?」
「それだけじゃないだろ。」
司の言葉に茜が首を横に振る。
「司のおかげだもん。ねぇ。」
「ん?」
あまりに優しく司が答えるから、茜は恥ずかしくなる。
すべてを包み込んでくれるような司の存在に茜は救われている。
本当に自分自身を認めることができたのも、生きることに希望を持つことができたのも、司のおかげだ。
「司は、私と出会えてよかった?」
予想していなかった質問に司は驚いた。

そして